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Web Junkie

[+ISM]

Vol. 002 Web Junkie

ギャラリーの廊下を滑らかに流れていくように探っていくと、そこには、[+ISM]の甘美で奇矯な世界が広がっている。
[+ISM]は、人類社会に淘汰した意識のヴェジタブル化現象に発想のコンセプトを絞り、現在のフラットなアートシーンに刺激的な快感をもたらすべく、ロンドンのアンダーグラウンド・シーンよりWEBを通じ、カルチャーを超えた独創的なアートを創作・発信している。 http://www.plusism.com/

  • F:[+ISM]を作ろうとしたきっかけは?
  • I:約2年程前に、以前から創作していたアート・インスタレーションや、映像分野(アナログ状態)での活動に終止符を打ち、全ての活動をコンピュータを使用した完璧なデジタル・アートワークに切り替え、ウェブを利用することによりそれまでのアーティストとキュレーターとの仲介関係から完全に離脱し、個人レベルでの作品発表の場をクリエイトしたことが、[+ISM]誕生のきっかけとなり、その後、このデジタル環境に没頭し、活動拠点を東京からロンドンに移して現在に至っています。
  • F:[+ISM]の名前の由来はなんですか?
  • I:一般的に「~ism」とは哲学的なイデオロギーの基本的パターンとして使われてきましたが、過去のアートの歴史的な動向からもうかがえるように、クリエーターが具体的に個々のスタイルを表現する方法として、「~ism」を題名していた時代でも、その名前の発表直後からは時間の経過と共に意味が失われてきました。しかし、根本的なコンセプトは時代を超え現在まで生き残ってきたわけで、現在、世界中を巻き込んだ固有の物質の根本的な意味を失ってしまった、人々の物事に対する無関心化現象に対しての私たちの皮肉をこめた反論として、この「偽り」と「純粋」が共存する世界に目を向けて[+ISM]という名前を選びました。
  • F:コンセプトは?
  • I:ベースとしているコンセプトは、多分野に渡る全てのデザイン・クリエーションにおいて、作品がイメージ本位で、束の間のスタイルのみを重視した無機質なものにならにように、最終段階のアイデアを抑制した上で、純粋な意味を持ち、さらに脳を刺激するものを常時クリエイトしていく、というところにあります。その何かをクリエイトするという状況において、自分自身で、いかにこの目的を完璧にクリアできるかというポイントに常に苦悩することになるわけですが、逆に言うとそれが「クリエイト」という世界の頂点に到達するまでの大半を占めることになると考えています。一般的に支持されているファーストフードの世界。そのスタイルには目を奪われがちですが、その場で用を足すのみの中身のない物質は、その後、何か記憶に残るものがあるでしょうか?
  • F:何人で制作しているのですか?
  • I:2人組のアーティスト・デュオです。Matius Gerardo Grieck(アルゼンチン人)+Tsuyoshi Nakazako(日本人)。
  • F:メンバーの普段の職業はなんですか?
  • I:一言でいえば「デジタル・アーティスト」です。こちらの国々(ヨーロッパ)では「アーティスト」というカテゴリが完全に確立されており、またそのように「アーティスト」という存在を人生に透写して生きている人たちも数多く存在しています。
  • F:良かったこと、悪かったことを教えてください。
  • I:単純にも、最終的な作品を発表するフォーマットのスタイルが、印刷世界とウェブ世界ではまったく異なっている中で、印刷系の作品が「SOLID」な過程をたどっていくものであることに対して、ウェブ系の作品は常に発展を続ける「LIQUID」な性格を持っていることが、何よりもウェブ世界の良い点であり、さらに個人的なレベルでの作品に対しての認識度も時代を追って変化するわけで、そういった意味でも新鮮な感情を常に表現していけるというスタイルは、これからの時代を先導していくと思います。ネガティブな面として上げるとすると、様々なファイル形式、プラグイン等が多数存在するうえ、幾つものブラウザが統一化されていない現状や、爆走するクリエイターのアイデアに追いついていないコンピュータテクノロジー環境でしょうか。
  • F:今後の[+ISM]について
  • I:いつまでも好奇心のアンテナをピ~ンと張っておくこと。
  • F:[+ISM]以外のプロジェクトはありますか?
  • I:プロジェクト等により、他のアーティストとコラボレートすることもあります。最近の例ですと、ロンドンのアーティストと組んで出店したニューヨークの「シアター・チケット・ブース2000年」デザインコンペがありますが、このときは「Liquid Architecture」という観念から、流動的な構築機能を備えたものを設計し、現在使用している建物と物理的に対比したコンセプトを発表しました。
  • F:その他なにかありましたらお願いします。
  • I:今年になってからアメリカの「ESPN」というスポーツマガジンのデザインに携わっていて、しばらくの間久しぶりに印刷の世界にはまってしまいましたが、現在はこの夏にロンドンのICA[Institute of contemporary art London]で開かれる、日本人によるクラブイベント「Hatoya Refugee Centre」にデザインコンセプトやビジュアル面で[+ISM]として参加する予定で、その後アムステルダムにツアーを行うためのフォーマット作成に取り組んでいる最中です。また、新しいフォントのリリースに向けた準備と共に、ウェブサイトをアップデートしている他、最近科学的に発見された「神経細胞の消滅と脳死」をテーマとしたショートフィルムのスクリプトを作成しています。

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