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政

その7

Vol. 011 木村タカヒロ

vol011_guest_masa01.gifアウッ!
世界はひとつ~
手と手をつなげば~
伝わるよ~真実の愛~
アイアイアイアイ 愛がすべて!
ハンドインハンド 手をつなごう!

おう!元気かこのやろう!
カラダ、動かしてっか?
オイラはこのとおり、
秋のミュージカル公演に向けて
猛特訓中よ。
机にかじりついてちゃ
だめだぞ!踊れ踊れ!
いい汗かけよこのやろう!

チリリリーン チリリリーン
はい、もしもし、政ですが。
お~う、和(カズ)じゃねえか、ひさしぶり。
ん?元気ねえな。どうした?
「政さん、お世話になりました」
ってオイ、どうしたんだ?
「僕には生きてる資格ありません」
ってオイ、なに言ってんだ?
「僕、死にます」ってオーイ、ちょっと待てーーー!
おう、カズ、落ち着け、なんだなんだどうしたってんだ、今どこにいるんだ?
「それは言えません。カズ、飛びます。ガチャ」って
オイオイオーイ!あわわわわ~こうしちゃいらんねえ!
アイツ、飛ぶって言ってたな!鬼ヶ淵に違いねえ!
おう、ヤス、行くぜ!
わんわんわん!
タッタッタッタッタッタッタッタッタッタ
カズ~、死ぬんじゃねえぞ~!

vol011_guest_masa02.gifハアハアハアハア。
おう!カズ! 「は!ま、政さん。ど、どうしてここが」
ガリ勉杓子定規のお前が自殺するっつったら、
ここしかねえだろうよ。勉強ばっかしてっから、
アイデアが浮かんでこねえんだよ。
もっと意外な場所選ばねえとな。 さ、こっち来い。
「いやだあ、僕は死ぬんだ!死なせてくださーい!」
おう、そうか、わかった。じゃ、オイラが背中押してやる。
その前に、理由を聞かせてくれよ。
「お。。お京が。。男つくって。。出ていった。。
ちっきしょー、呪ってやるー!
おばけになって出てやるー!」
そうかそうか、それはつらかったな。
死にたくなるのも無理ねえ。
「ではさようなら」
ちょちょちょちょ、ちょっと待て!
焦るこたあねえだろ。
飛ぶ前によお、 今の気持ちを
体で表現してみろよ。 どんなふうになる?
「え?そ、そうだなあ。。。こんあカンジかなあ。。。
ダッダッダッダ」
おーう、地団駄ふんでんだな!
いいじゃねえか、そのステップ。
でもよう、お前の悔しさはその程度のモンじゃねえだろ。
「そ、そうですね。死ぬほど悔しいわけですからね。
ダッダダン!ダッダダン!」
おーう、両足になったな!いいぞいいぞ!
さ、つぎ、手も動かして! もっともっと!
ステップ!スイング!ジャンプ!ターン!
いいぞう、カズ!かっこいいぞお!輝いてるぞお!
「ほ、本当ですか?僕、かっこいいですか?」
おう!モテモテだあ!
「政さん、なんか僕、楽しくなってきちゃいました。
もう、死ぬのがアホらしくなってきちゃいました」
おう、そうか!そりゃよかった、カズ! じゃ、オイラと一緒に踊ろう!

人間、生きてりゃツライこともあるさ~悲しいこともあるさ~
一人で悩んでないで~さあ踊ろう
アイアイアイアイ 愛がすべて!
ハンドインハンド 手をつなごう!


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