
紙の種類について
モノヲツクルには避けて通れない「紙」。制作を始めてみたら紙の事が、わからなくて戸惑う事も多いのでは?そんな紙をもうちょっと知ろうというコーナー。我らがpaper先生に聞いてみよう。今回は、紙の種類についてなのです。
paper先生:某紙商社 特殊部隊 裏リーダー。デザイナー、アートディレクター達と高レベルなモノ作りのためバリバリ対戦中(!?)。素敵な紙提案にかけてはピカイチのペーパーアドバイザーなのである。
- 絵筆子:paper先生~今度の個展で変わった紙に絵を描こうかなって思うんですが何かいいのあるですか?
- paper先生:「新バフン紙」っていう紙はどう?
- 絵:バフン…馬糞!?!??
- pa:そう!でも、馬糞が入ってるわけじゃないのでご安心を。紙の原料が手に入らなかった戦前から戦後にかけて、わらを原料にした、わら半紙のちょっと汚い感じの“バフン紙”というのがあって(当時、わらを主食としていた馬の馬糞に印象が似ていた)それを現代風にアレンジしたファンシーペーパーなの。色の名前にね、“ゆげ”とかあるんですよ~。なかなかリアルでしょ。和風調で素朴な風合いが人気で、オシャレな和風居酒屋のメニューなんかによく使われてます。
- 絵:へぇ良さげな紙~。じゃあ先生の「好きな紙」って?
- pa:やっぱり色とか柄がついていて、紙肌に風合いのあるファンシーペーパー(特殊紙)かな。雑貨屋さんで売っているステーショナリーとか、書籍、お洒落なパッケージなんかに使われているけど本当にたくさんの種類があって、見たり触ったりしているだけで楽しくなっちゃう。普通の白い紙じゃ、もう物足りない!ところで、絵筆子さ んは何が好き?
- 絵:えっと、良く使うからコピー用紙。あと普通のテカテカしたのとか…。コート?っつうんですよね。そういえば紙の種類って良く分からないなぁ。
-

ノートの本文は上質紙。

パンフレットチラシに使われている紙はコート紙。塗工印刷紙です。 - pa:紙はね、用途によって使い分けれらているの。まず、『紙』と『板紙』があるんだけど違いは分かるかな?
- 絵:板!?はて何の事やら。
- pa:パンフレット、チラシとかに使われてる、印刷するための薄いものが『紙』、パッケージ、台紙とかにつかわれているボール紙のような厚いものが『板紙』です。
- 絵:大きく分けて2種類?
- pa:そう。今回は『紙』の中の“印刷用紙”についてお話ししておきましょう。ノートの本文なんかに使われてる、ただの白い紙、あれが上質紙。紙の表面に顔料などが塗布されていない「非塗工印刷用紙」に分類されます。
- 絵:私が好きなコピー用紙もそうスね!顔料が塗ってないから描きやすいんだ~。
- pa:うんと、ちょっと違うけど※1大体アタリ。で、パンフレット、カタログ、ちらしなんかに使われている、表面がツルツルしていて、写真などがきれいに印刷できる紙がコート紙。
- 絵:コート紙には白い顔料が塗ってあるのかな?
- pa:アタリです!だからコート紙は、紙の印刷適性を高めるために、上質紙などの原紙の表面に一定量の白色顔料を塗布した「塗工印刷用紙」に分類されるの。上質紙の表面は結構凸凹しているんだけど、それを白色顔料で埋めるから表面はツルツル。紙にインキが染み込むのを防ぐから、印刷上がりもいい。それから、最近流行しててムック本などによく使われている紙が、非塗工と塗工の中間に属する「微塗工印刷用紙」。原紙の表面に白色顔料を微量塗布しているだけだから、紙らしい肌が残って、そこそこの印刷上がりになるという、イイトコドリの紙です。紙に肌があると、手に取ったときにコート紙とはちょっと違った印象になるし、温かみがある。それから、色・柄・風合いなど“付加価値”のあるのが「特殊印刷用紙」。色上質やファンシーペーパーがこの中に入ります。
- 絵:上の図ッスね。
- pa:別に分類をこと細かく覚える必要はないんですけどね~。印刷上がりなどを判断するためには知っておくと想像しやすいんです。それにしても、紙のことを知っている人って本当に少ない!毎日こんなに触れているのにね…。
- 絵:ギク。た、確かに。コートとアートも一緒に考えていたりする~。
- pa:じゃあ、「塗工紙」のアート紙、コート紙、キャストコート紙についてお話しましょうか。
- 絵:よろしこ!(←古!)
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f-dex009号の紙:ミラーコート菊版125kg
今回のf-dexの表紙は、強光沢塗工紙で用紙の表面に鏡のような光沢をつけて仕上げたキャストコート紙。厚めの紙なので型抜きもバッチリですね! - pa:アート紙は、両面に1㎡当たり40g程度白色顔料が塗ってあるため、表面の平滑度が高く印刷の再現性が抜群に良い!だから、高級美術書、写真集などによく使われています。表面に艶がある“グロスタイプ”と、艶がない“マットタイプ”があります。コート紙は、両面に1㎡当たり30g前後の白色顔料が塗ってあります。アート紙よりも塗工量は少ないから多少紙の肌が表面に出てきますが、印刷の再現性は良いので大量に配布するパンフレットやカタログなどに向いています。コート紙にもグロスタイプ、マットタイプがあります。
- 絵:ふむふむ、アートのほうが顔料が多いんだ!それと、コートはよく使うけどそこまでは知らなかったゾ!しかし先生、紙の特徴と種類を覚えてるんスね。他に得意技はあるですか?
- pa:色々な印刷用紙の“印刷上がり”や“印刷効果”がどうなるかがわかることかな。それがわかっていないと用途やデザインに合った紙を提案できないからねー。
- 絵:ほえー凄い。どうしたらわかるですか?
- pa:それぞれの紙の特徴を理解していれば、想像できるんですよー。普段の生活の中では、紙って空気みたいなもので特徴なんてあんまり気にしないでしょうし意識する機会も少ないだろうけど…。とにかく、ちょっと興味をもって見たり、触ったりしてみる。そうすれば、誰だって分かるようになりますよ!
- 絵:そっか、よ~し。ところで先生が紙と携わるキッカケって?
- pa:それは小学生の時にまで溯ります。実は私は…(遠い目)
- 絵:先生、先生!すっかり思い出に浸ってしまっている…というわけでまた次号。先生!もうおしまいだよ!
- pa:う、はっ!ではまた次回~っ。
紙の種類と分類
- 家庭用
- ちり紙、書道用紙
- 工業用
- 化粧用原紙、建材原紙
- 包装用
- 包装紙、ダンボール
- 印刷・情報用
- 新聞紙
- 印刷用紙
- 非塗工(上級、中級、下級、薄葉)
- 微塗工
- 塗工(アート、コート、軽量コート、その他)
- 特殊印刷紙(色上質、その他)
- 情報用紙
- 複写用紙、感光用紙、フォーム紙、情報記録紙、PPC用紙など
※コピー紙は情報用紙のPPC用紙に分類されるので、本当は上質紙ではないのです。紙質の設計も違うのだ~!
紙の出来るまで
モノヲツクルには避けて通れない「紙」。制作を始めてみたら紙の事が、わからなくて戸惑う事も多いのでは?そんな紙をもうちょっと知ろうというコーナー。我らがpaper先生に聞いてみよう。今回は、紙の出来るまで…についてなのです。
paper先生:某紙商社 特殊部隊 裏リーダー。デザイナー、アートディレクター達と高レベルなモノ作りのためバリバリ対戦中(!?)。素敵な紙提案にかけてはピカイチのペーパーアドバイザーなのである。
パルプ工程 ~チップからパルプへ~

抄紙工程 ~

- 絵筆子:(紙をジッと見て)先生!紙って…紙って何なんですか!?
- paper先生:な、何!?
- 絵:知りたいんです~っ!
- pa:う、うん、わかった、ええとですね。紙の定義は、「植物繊維その他の繊維を絡み合わせ、膠着させてできた薄層」。といってわかりにくければ、「繊維をシート状にしたものはみんな紙」と考えていいんじゃないかな。原料は、約57%が古紙、約43%が木材パルプ(非木材を含む)です。
- 絵:パ、パルプ~~?
- pa:パルプは、植物繊維から取り出したセルロース繊維の集合体で、紙の原材料です。木材を機械ですりつぶして得る機械パルプ(メカパルプ、グラウンドパルプ、砕木パルプとも言う)と、木材を化学処理して得る化学パルプ(ケミカルパルプ)とがあるんですねー。木材のおよそ半分がパルプになるのよ!上記の図を見るとわかるかな?集められたチップを蒸解させてパルプを作るのね。それからシート状にして乾燥させたものが“パルプシート”。
- 絵:へ~。一番最初はチップなんだ。
- pa:そう。チップは、薬品で処理しやすくするため木材を小さく砕いたもの。将棋の駒程度の木片なのね。新幹線で新富士のあたり(製紙メーカーがひしめき合っている)を通過するときよく見かける、茶色い山状のものがチップの山!
- 絵:おう!あれか~!先生、匂いってどうなんだろ?
- pa:匂い?ただ木を砕いたものだから、木そのものの匂いよ。
- 絵:ふうん木ね~。あれは近所で作ってるんスか?
- pa:それが全体の約70%は外国産なのよ。国産は全体の30%程度。
- 絵:ほとんど輸入なのか!
- pa:そうね。輸入先はオーストラリア、アメリカ、チリ、南アフリカ、ニュージーランドなど。チリは、日本の製紙メーカーの自社植林地からの輸入がほとんどなの。
- 絵:(図を見て)紙ってこんな流れで出来るのかぁ。今も昔も変わらないのですかぁ~?
- pa:パルプの製造工程で変った所といえば、漂白技術かな。これまで日本では“塩素ガス”を使用して茶色のパルプを白く漂白していました。この“塩素ガス”がダイオキシンの発生原因で、環境負荷が高いと考えられていて、現在は無塩素漂白(ECF)といって、塩素ガスは使わず、塩素化合物や酸素を使った漂白方法に変りつつあります。ヨーロッパの方ではもう当たり前になっているんだけどね。
- 絵:環境に優しくなってきてるんだ!…漂泊?ぜんぶ白くなっちゃうのかしらん?
- pa:そうね。製紙用パルプは、木の元々の色で濃い茶色をしています(→クラフトパルプ、包装紙に使われるクラフト紙の原料)でも、印刷したり筆記用紙として使ったりするために、漂白して白いパルプを造るの。
- 絵:あれ?じゃあー色紙はどうなるの!?
- pa:色紙は、この白いパルプに染料や顔料を混ぜて造るのね。模様紙も同じ。
- 絵:なるほど後から色をつけるのか!どうやってるのかなぁー?あっ、先生は工場でお手伝いとかするんスかぁ~?
- pa:商品開発も仕事の中でやっているので、紙の抄造立ち合いで製紙メーカーに行くことが結構あるけど、手伝いをしたことはないなぁ。絵:切ったり詰めたりとかなら私、やれるかも!
- pa:え?手伝いたいの(笑)でも断裁は機械上でやってしまうし、仕上がった紙の梱包はパートの女性がものすごく手際良く包装しているからね~、邪魔になっちゃったりするかもよ。まぁ今度工場見学、行ってみる?
- 絵:あ、うん!行きたいッス!なぁんか工場って面白そうなんですよねぇ~。あ、先生、商品開発ってどうするの?何するの!?
- pa:こんな風合いでこんな色の、印刷の仕上りはこんな感じの紙を作りたい、と製紙メーカーの技術担当者にイメージを伝えて、まずは手漉き見本を作ってもらうの…といっても、和紙のような手漉きじゃなくて、小さい手漉き用の装置でね。仕上りはB5くらいの大きさで出来るのよ。この手漉き見本で、紙の肌、色、模様の入り方なんかをチェックしながら作り上げていくわけ。大体イメージ通りになったら、本機でのテスト抄造。この時、企画した本人が工場に立ち合いに行って、ちゃんと肌や色が出るかをチェックするのよ。
- 絵:へぇ~楽しそう!
- pa:うん、そうねー、自分の思い通りの紙が出来たときは、やっぱり嬉しい!
- 絵:そしたら研究員さんとかっているのかな?
- pa:製紙メーカーには必ずいますよ。製紙メーカー独自で商品開発することもあるし代理店(商社)などが企画・開発することもあるわね。私は商社にいるけど、開発担当者はもちろんのこと、営業部員ひとりひとりが営業活動で得た情報をもとに、今世の中が必要としている紙を独自に企画・開発しているのよ。
- 絵:カックいいー!で、先生は、これからどんな紙ができるといいなと思う?
- pa:そうねー、刺激的な紙かしら!紙に触れただけで想像力が広がるような、視覚とか触覚とか刺激されちゃうような・・・。“刺激”はクリエイティブな仕事には欠かせない要素。そんな紙ができたら、クリエイティブワークはもっともっと楽しくなりそうよね!
- 絵:カコイイ!私も新商品を考えてみようかな!あ!「手が動く紙」ってどうスか!
- pa:ん?それはどういう紙?
- 絵:思った事が表れるの!こう…あぶり出しみたいに。や~クリエイティブだ!
- pa:それ…怠けたいだけじゃない!
- 絵:テヘッ…また次回~!
紙をもうちょっと知ろう

モノヲツクルには避けて通れない「紙」。制作を始めてみたら紙の事が、わからなくて戸惑う事も多いのでは?
そんな紙をもうちょっと知ろうというコーナー。
※本誌では左右のページを違う紙に印刷し、上記イラストを見比べられるようになっています。
絵筆子(絵):なんちゃってデザイナー。とにかく勉強中。
paper先生(P):某紙商社 特殊部隊 裏リーダー。デザイナー、アートディレクター達と高レベルなモノ作りのためバリバリ対戦中(!?)。素敵な紙提案にかけてはピカイチのペーパーアドバイザーなのである。
- 絵:せ、先生!か、変わった紙がついてますぅ!
- P:特殊紙に印刷するとどうなるか、コート紙と比較できて便利でしょう~。
- 絵:はい!全然印象が違う~。ところでこの紙…きゅりあす?ってどんな紙なんですかぁ?何か不思議な紙ですねぇ!金属みたいです。
- P:そう、「キュリアス」っていうのは奇妙な、好奇心をそそる、珍しい、不思議な …という意味があるのよ。この「キュリアス」には色々なシリーズがあるんだけど今回のこの紙はキュリアスの中でも、金属を思わせるような、輝きときらめきをみせる「キュリアスメタル」という種類。
- 絵:カッコいいですね~でも、こういう紙って、普通のオフヘッド印刷ってできないんですよね?
- P:ヘッドじゃなくてセット!ふふふ、オフセット印刷ね…できないって思うでしょう。通常、こういう紙はインキが乾きにくいからUV印刷などをしないといけなくて、印刷代が高くかかると思われるんだけど、なんとキュリアスはレギュラーインキで印刷できる…つまりオフセット印刷可能な紙なのよ。
- 絵:へっへ~。すげ~。それは珍しい。
- P:そうね。珍しいといえば両面キラ加工してる紙というのもちょっと珍しいのよ。
- 絵:へっへ~。この紙で何か作りたくなってきました!
- P:でしょ?何たって「好奇心をそそる」紙だから。
- 絵:はっ、のせられた!ギャフン!キュリアス恐るべし!
≪問い合せ先≫
平和紙業株式会社 販売推進部
キュリアス メタル(curious metal)
寸法…四六判Y目 1,901×788mm
色…全7色
連量…103kg/215kg
![FREEPAPER [f-dex:エフデックス]](http://www.f-dex.com/wordpress/wp-content/themes/f-dex/shared/images/h1.gif)
