バックナンバーの閲覧

教えてpaper先生

紙の出来るまで

Vol. 010 教えてpaper先生

モノヲツクルには避けて通れない「紙」。制作を始めてみたら紙の事が、わからなくて戸惑う事も多いのでは?そんな紙をもうちょっと知ろうというコーナー。我らがpaper先生に聞いてみよう。今回は、紙の出来るまで…についてなのです。

paper先生:某紙商社 特殊部隊 裏リーダー。デザイナー、アートディレクター達と高レベルなモノ作りのためバリバリ対戦中(!?)。素敵な紙提案にかけてはピカイチのペーパーアドバイザーなのである。

パルプ工程 ~チップからパルプへ~

パルプ工程 ~チップからパルプへ~

抄紙工程 ~

抄紙工程 ~

  • 絵筆子:(紙をジッと見て)先生!紙って…紙って何なんですか!?
  • paper先生:な、何!?
  • 絵:知りたいんです~っ!
  • pa:う、うん、わかった、ええとですね。紙の定義は、「植物繊維その他の繊維を絡み合わせ、膠着させてできた薄層」。といってわかりにくければ、「繊維をシート状にしたものはみんな紙」と考えていいんじゃないかな。原料は、約57%が古紙、約43%が木材パルプ(非木材を含む)です。
  • 絵:パ、パルプ~~?
  • pa:パルプは、植物繊維から取り出したセルロース繊維の集合体で、紙の原材料です。木材を機械ですりつぶして得る機械パルプ(メカパルプ、グラウンドパルプ、砕木パルプとも言う)と、木材を化学処理して得る化学パルプ(ケミカルパルプ)とがあるんですねー。木材のおよそ半分がパルプになるのよ!上記の図を見るとわかるかな?集められたチップを蒸解させてパルプを作るのね。それからシート状にして乾燥させたものが“パルプシート”。
  • 絵:へ~。一番最初はチップなんだ。
  • pa:そう。チップは、薬品で処理しやすくするため木材を小さく砕いたもの。将棋の駒程度の木片なのね。新幹線で新富士のあたり(製紙メーカーがひしめき合っている)を通過するときよく見かける、茶色い山状のものがチップの山!
  • 絵:おう!あれか~!先生、匂いってどうなんだろ?
  • pa:匂い?ただ木を砕いたものだから、木そのものの匂いよ。
  • 絵:ふうん木ね~。あれは近所で作ってるんスか?
  • pa:それが全体の約70%は外国産なのよ。国産は全体の30%程度。
  • 絵:ほとんど輸入なのか!
  • pa:そうね。輸入先はオーストラリア、アメリカ、チリ、南アフリカ、ニュージーランドなど。チリは、日本の製紙メーカーの自社植林地からの輸入がほとんどなの。
  • 絵:(図を見て)紙ってこんな流れで出来るのかぁ。今も昔も変わらないのですかぁ~?
  • pa:パルプの製造工程で変った所といえば、漂白技術かな。これまで日本では“塩素ガス”を使用して茶色のパルプを白く漂白していました。この“塩素ガス”がダイオキシンの発生原因で、環境負荷が高いと考えられていて、現在は無塩素漂白(ECF)といって、塩素ガスは使わず、塩素化合物や酸素を使った漂白方法に変りつつあります。ヨーロッパの方ではもう当たり前になっているんだけどね。
  • 絵:環境に優しくなってきてるんだ!…漂泊?ぜんぶ白くなっちゃうのかしらん?
  • pa:そうね。製紙用パルプは、木の元々の色で濃い茶色をしています(→クラフトパルプ、包装紙に使われるクラフト紙の原料)でも、印刷したり筆記用紙として使ったりするために、漂白して白いパルプを造るの。
  • 絵:あれ?じゃあー色紙はどうなるの!?
  • pa:色紙は、この白いパルプに染料や顔料を混ぜて造るのね。模様紙も同じ。
  • 絵:なるほど後から色をつけるのか!どうやってるのかなぁー?あっ、先生は工場でお手伝いとかするんスかぁ~?
  • pa:商品開発も仕事の中でやっているので、紙の抄造立ち合いで製紙メーカーに行くことが結構あるけど、手伝いをしたことはないなぁ。絵:切ったり詰めたりとかなら私、やれるかも!
  • pa:え?手伝いたいの(笑)でも断裁は機械上でやってしまうし、仕上がった紙の梱包はパートの女性がものすごく手際良く包装しているからね~、邪魔になっちゃったりするかもよ。まぁ今度工場見学、行ってみる?
  • 絵:あ、うん!行きたいッス!なぁんか工場って面白そうなんですよねぇ~。あ、先生、商品開発ってどうするの?何するの!?
  • pa:こんな風合いでこんな色の、印刷の仕上りはこんな感じの紙を作りたい、と製紙メーカーの技術担当者にイメージを伝えて、まずは手漉き見本を作ってもらうの…といっても、和紙のような手漉きじゃなくて、小さい手漉き用の装置でね。仕上りはB5くらいの大きさで出来るのよ。この手漉き見本で、紙の肌、色、模様の入り方なんかをチェックしながら作り上げていくわけ。大体イメージ通りになったら、本機でのテスト抄造。この時、企画した本人が工場に立ち合いに行って、ちゃんと肌や色が出るかをチェックするのよ。
  • 絵:へぇ~楽しそう!
  • pa:うん、そうねー、自分の思い通りの紙が出来たときは、やっぱり嬉しい!
  • 絵:そしたら研究員さんとかっているのかな?
  • pa:製紙メーカーには必ずいますよ。製紙メーカー独自で商品開発することもあるし代理店(商社)などが企画・開発することもあるわね。私は商社にいるけど、開発担当者はもちろんのこと、営業部員ひとりひとりが営業活動で得た情報をもとに、今世の中が必要としている紙を独自に企画・開発しているのよ。
  • 絵:カックいいー!で、先生は、これからどんな紙ができるといいなと思う?
  • pa:そうねー、刺激的な紙かしら!紙に触れただけで想像力が広がるような、視覚とか触覚とか刺激されちゃうような・・・。“刺激”はクリエイティブな仕事には欠かせない要素。そんな紙ができたら、クリエイティブワークはもっともっと楽しくなりそうよね!
  • 絵:カコイイ!私も新商品を考えてみようかな!あ!「手が動く紙」ってどうスか!
  • pa:ん?それはどういう紙?
  • 絵:思った事が表れるの!こう…あぶり出しみたいに。や~クリエイティブだ!
  • pa:それ…怠けたいだけじゃない!
  • 絵:テヘッ…また次回~!

このページの先頭に戻る