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ジャズトモ

バンドマン立古和智のジャズコラム!

ドリカムリスナーにも聴かせたいジャズ「PONTA BOX」

Vol. 004 ジャズトモ 立古和智

PONTA BOX
●PONTA BOX/PONTA BOX
ジャズアルバムには見かけない親近感溢れるかわいらしいジャケ。(でしょ?)。ポンタさんは帝王マイルス・デイヴィスとの親交も厚く、マイルス来日の際は必ず呼び出しくらってたとか

秋ですね。ということはジャズですね。夏はラテンかレゲエですもんね。でも、あなたはテクノですか。そうですか、テクノな電気音楽で電気ショックビビビでドンツカピコピコでサイコーもいいすけど、秋はやっぱりジャズ。これでシビレましょう。いいですね。

と、のっけから独断と偏見でスタートした当コーナー、僕ら堅物リスナーが崇拝する音楽を“強引に”オススメしていこうかと。で、初回は「PONTA BOX」。何を隠そう僕がジャズにはまるキッカケとなったバンド。
その音楽を一言で表現するなら「プログレッシブ・ポップ・ジャズ」。僕が生演奏に求めるウネるようなグルーヴ、楽器同士の会話、芳醇なハーモニー、機械では得難いダイナミクス、ホットな音色を備えるのはモチロン、「ドリカムリスナーでも楽しめる」というキャッチ通り、ジャズが疎んじられる理由である「古くささ・小難しさ」とは無縁。そしてなによりキャッチー(って死語?)なメロディも秀逸。といっても軽々しいフュージョンではなく、まぎれもなくジャズ。カラフル過ぎず、かといってプリミティブ過ぎないサジ加減が絶妙なのだ。

PONTA BOX
●PONTA BOX II/Dessert in the Desert2ndではタヌキは2匹。これまたかわいいですな。言い忘れたけど、ポンタさんって雑誌「スパ」の表紙を飾ったこともあるんですよ

ロック世代にも受け入れられやすい華やかで柔らかなドラムは日本ジャズ界の重鎮、村上ポンタ秀一。凛々しく瑞々しいいピアノはコンポーザーとしても数々の名曲を生み出している佐山雅弘、ブリブリとヘンテコなラインを描くベースは日本のジャコ・パストリアス水野正敏(現在では脱退)。ジャズ初心者におくる最初の一枚におススメなわけです。

ところで、テクノにバラッドであるのかなあ?電気音なのにやたらラブリーだったらおかしいね(笑)。さて次回は日本が世界に誇るオリジナリティ、中央線ジャズ。乞うご期待。

日本発のオリジナリティ中央線ジャズ

Vol. 005 ジャズトモ 立古和智

大雑把
●大雑把/津和時シャクシャイン
元祖中央線ジャズ。リーダーの梅津和時は、NYニッティングファクトリーでも売れっ子のフリージャズな人。様々な音楽をゴッタ煮にして活動していたこのバンドも2年前に惜しくも解散。このバンドを経て成長したメンバーも多い

de-ga-show
●テナーの片山広明、アルトの林栄一が火を噴くようなブリブリのサックスを吹き、ギターの酒井泰三、松川純一郎がゴリゴリ、ギンギンのギターを唸らす。最近ヒットしてるKEMURIってバンドにチョット似てる(!?)

中央線ジャズを“ジャズ”と言ってしまうと「あんなのジャズじゃねーよ」と、ジャズ喫茶系頑固オヤジに怒られそうですが、まあそんなオッサンはこの際ほっときましょう。

さて中央線ジャズとは、平たく言うと中央線沿線に位置する「新宿ピットイン」「アケタの店」なんかで活動する人たちのジャズのこと。けど音の傾向は多種多様で、特徴があるとしたら日本独自であることだけ。アヴァンギャルの巣窟、ニューヨークのニッティングファクトリーに通ずるものすら感じます。で、今回おすすめするのは「シャクシャイン」と「デ・ガ・ショー」。

前者はファンクとジャズ、ロック、フリー、民族音楽の融合。ブラックのファンキーさとは異なり、日本人ぽいユル~いフニャフニャしたファンクが心地よい。普通日本人ぽいリズムってバカにされがちだけど、一生懸命黒人をマネしようとしない感じがカッコイイのかも。対するデ・ガ・ショーは、フリーな匂いの漂うジャズとゴリゴリのロックの融合。やたら下品な音のギターやテナー、アルトが、耳に突き刺さるほどの勢いで飛んでくる。これまた唯一無二な質感。

それら「日本人ぽいオリジナリティ」が総じて中央線ジャズの魅力なんでしょうね。個人的には日本が世界に誇る音楽だと思ってます。どちらも頑固ジャズオヤジが好む4ビートじゃないし、ロック汁が十二分に注入されてるので、ロック屋さんにもオススメできます。さて次回はアニメとジャズの交差点、乞うご期待。

アニメなジャズ=現代版スタンダード(?)

Vol. 006 ジャズトモ 立古和智

ルパン三世/オリジナル・サウンドトラック
●ルパン三世/オリジナル・サウンドトラック
ルパン3世ものはどれを買っても外れナシ。意外に身近なところにもスリリングなジャズは存在します。マジカッコいいよ

TV Jazz(昭和40年代篇)
●TV Jazz(昭和40年代篇)
元祖アニメジャズ第一段。国内若手ジャズプレイヤーのシュアなプレイが秀逸。ジャズファンには有名スタンダードのモロパクリアレンジが笑える。企画ものだからって侮れないよ

数年前、巷ではアニメとメタルの融合ということで「アニメタル」なんかがリリースされて話題になったけど、ことジャズでもそんな動向はあって、ここ最近だと「ウルトラマンジャズ・シリーズ」、またその手の元祖「TV-JAZZシリーズ」などが意外とヒットしたんです。この手の一見イロモノっぽいアルバムって、頑固ジャズ喫茶系リスナーは口をひん曲げて非難しそうだけど、当のプレイヤーたちはそれら楽曲を、フュージョンバンド「ウェザーリポート」「ブレッカーブラザーズ」などのパクリアレンジ(っていってたよ)で飄々と演奏してるから、純粋なジャズアルバムとしても面白い(っていうか笑える)。グラフィックデザインのモチーフにタミヤ模型のロゴマークをパクっちゃうようなもんでしょうかな(ちがう??)。

って筆を進めていて思ったんだけど、よく考えたらジャズマンたちがこよなく愛す「いつか王子様が」なんかも、元はといえばディズニー楽曲で、それが時を経てジャズの名スタンダード楽曲に昇華されたわけだから、アニメとかウルトラマンっていう誰もが知っている曲をジャズアレンジで演奏するのは、「現代版ジャズスタンダード」かもしれない、って思った次第。

一方イントロ冒頭「ルパン・ルパーーン」でおなじみ「ルパン3世のテーマ」もれっきとしたジャズ。あれ、マジでカッコ良いです(と思わない?)。事実あれは敏腕ジャズメンたちの仕事だし、さらには僕の中では、あの曲はジャズ・スタンダードなんです。だって、あまりにもカッコ良いからコピーしてライヴで演奏したモンね(笑)。
さて、次回は題して「アイドル曲をジャズ屋が料理」でお届けします。チャオ!

額に汗して聴いてください

Vol. 007 ジャズトモ 立古和智

Jimmy Smith/dot com blues
●Jimmy Smith/dot com blues
ファンキージャズといったらジミースミス、今年で73歳の重鎮ですよ。よれよれ、しゃがれ声だけど、まだまだ元気。若手プレイヤーを起用しても決して負けてません。ジャケを見る限りMacユーザーみたいだな

Grant Green/HAVE GUITAR, WILL TRAVEL
●Grant Green/HAVE GUITAR, WILL TRAVEL
ジャズ仲間からの借りものです。“借り貰い”狙ってます(笑)。アーシー、レイドバックしたサウンド、なにより図太い音が熱いです。名前のgreenには意味はありません、メチャクチャ黒いです。女の子でもチンポ立つこと請け合い

日本全国の「ジャズトモ」ファンの皆さん、こんにちわ(そんなやついない)。僕の本業は雑誌の編集で、毎年GW前ってのは、一年を通して一番忙しい時期。f-dexのSさん(別名:鬼編集娘)にホテル缶詰状態でせっつかれています(うそ)。あ、けど発行されるときはすでにそんなの遠い過去の話ですね。GWは楽しかったですか? 僕は休まず仕事してました(4月末日の予測)。

さて、前号で「アニメとジャズの……」と予告させていただきましたが、ネタがありませんでした(ホントは探してない)。なのでマイブーム的CD(といっても借り物)から2発ほどお送りしようかと。いわゆる4ビートではなく、レアグルーヴ系、ファンキージャズ系なんですが、お澄ましさんたちが夜な夜な集うクラブとかいう不健康極まりないところでかかる“涼しいやつ”じゃなくて、もっとこう「額に汗して聴くべき」ジャズなんです。これが熱いんです、あくまで個人的に。片やファンキージャズの御大ジミー・スミス、もう一方はグラント・グリーン。黒いです、太いです、さすがブラックです、歩いてるそばから“リズム”、話しても“リズム”、鍵盤叩けば当然リズム。褐色の肌からほとばしるファンク汁といったら、もうこれはオトコの子のためのジャズと言い切りたい。だからといって女の子のためのジャズが何かは知らんです。それは自分たちで探しなさい。

別件ですが、先日のメシオ・パーカー東京公演、ステージ脇で踊っていた黒人コーラスのオバチャンもコッソリ気になります。とっても地味な振り付けにして、バネの利いたリズムで額に汗してました。さて、ぼくも明日締切の原稿を額に汗して書こうかと思います。ではまた。

番外編:矢野と和田

Vol. 008 ジャズトモ 立古和智

矢野顕子/Home Girl Journey
●矢野顕子/Home Girl Journey
ニューヨークのプライベートスタジオでピアノ弾き語りをした収録した作品。このほかにも「Super FolK Song」「PIANO NIGHTLY」などピアノと唄だけで作り出される美しい矢野ワールドを堪能できる作品もあります。すべてはずれナシ。

和田アキ子/ダイナマイト・パレード
●和田アキ子/ダイナマイト・パレード
ジャパンR&Bの原点です。アッ子節炸裂です。『古い日記』『黒い炎』といった名曲をはじめに、ファンキー、ソウルフルなナンバーがてんこ盛り。バリバリ唸るホーンセクションもカッチョいい。お買い得です。

ジャズ好きのカズトモ(僕の名前)なわけで、この連載は「ジャズトモ」なんですけど、別に僕はいわゆるジャズファンじゃないので、たまには違う話なんもしてみようかと思います。ということで、矢野顕子さんの話でも。

ええ、好きですとも、アッコちゃん。大好きです、よく笑われるんですけど。けどね、アッコちゃんのCDをジャズファンが好きでも不思議はないと思うんです。すごいじゃないですか、彼女のピアノ。派手さはありません、言ってしまえば唄の伴奏です、基本的にはね。けど、これが絶妙。唄、ピアノ、どちらが欠けても矢野ワールドは成立しない。彼女のほかに彼女の唄の伴奏をできる人はいない、っていうか、あの人は単なるシンガーじゃないわけですよ。なんでも、3歳の頃には聞こえるメロディすべてをピアノで弾けたというし、驚きなのは子供の頃、鍵盤と鍵盤の間にカミソリを立てて練習していたというエピソード。そりゃ上手いわけよ。12、3を数えるころには、アイスミルク片手にジャズ喫茶通いをしていたという早熟ぶりだし、デビューアルバムでは、かのリトルフィートと共演し、「うまく弾けなくてゴメンナサイ」っていわせたりと、相当に男前なんですよ。

そして、目ざといリスナーならご存じの通り、彼女のバックを支えるミュージシャンといえばニューヨークあたりのジャズ界のキラ星ばかり。多くの一流ジャズミュージシャンから「ヘイ、アッコ、セッションするから遊びに来いよ!」ってお声がかかるそうな。そんな日本人いないでしょ、めったに。アメリカ、イギリスの音楽でもなく、ラテンとも違う、アッコ臭はたしかに癖アリだけど、それが圧倒的な個性であり、オンリーワンなわけですよ。ってわけで、激リスペクト。

ところで、アキコといえば日本にはもう1人大御所アキコがいます。そう、和田のアキ子さん。この人の場合はR&Bをベースにした歌謡曲、って感じですがこれもまたシビれます。「♪あの頃は~、フン! ふたりとも~、フン!」って感じでね。男前な矢野、男らしい和田、って感じでしょうか。あれ、なんの話だっけ??

持っていることはヒミツにしておこう

Vol. 009 ジャズトモ 立古和智

Smappies
●Smappies/007のテーマ、超カッコイイよ。これ、いわれなきゃ誰もSmapだと思わないね。会社で流してても、だれも気がつかないもん。歌はいらないな。

Smappies II
●Smappies II/OmarHakimやら、WillLee、SteveGaddもいればToninho Hortaもいる。NYの暴れん坊将軍、Hiram Bullockも!!! サウンドバリエーションもファンキーなものからジャジーなものまでさまざま。BGMとしてでなく正座して聴くべし

突然ですが、SmapのCDって聞いたことありますか? 「あたりめーじゃん!」っていう人は、Smapファンか“相当なジャズファン”。 「えっ!?」って思った人、多いことでしょう。数年前まで、Smapのレコーディングを支えるバックミュージシャンといえば、ジャズ系プレイヤーのキラ星が勢揃いだったんです。僕も、キムタクやらゴローちゃんらの歌が聴きたいのではなく、「歌がはじまる前までのイントロと間奏だけ」を聴きたいがために、SmapのCDを買ってました、恥ずかし~い思いをしながらね。いい歳こいてSmapを買うなんて、中学生にしてエロ本を買う気分。店員さんと眼を合わせられません。

そんなリスナーの存在を察してか、タワーレコード渋谷店では、ジャズコーナー内になんとSmapのCDが平積みにされていたのです。なんともナイスな計らい。とはいっても、買ってからも気が抜けない。会社にSmapのCDを置きっぱなしにしようものなら、ジャズ好きの名が廃ります。自宅で彼女に見られてもヘンタイっぽい。だから、いままでヒミツにしてました。

さて、おすすめの作品について。「SMAP 007 Gold Singer」から「SMAP 012 VIVA AMIGOS!」までの6作品。もしくは、「Smappies」と「Smappies II」。この2作は、Smapのレコーディングを支える面々が勢揃いしてSmappiesという名のもと、Smapの楽曲を、邪魔な歌ナシでプレイしたもの。元曲がアイドルものだろうと、彼らの手に掛かれば上質なジャズ、ファンク、フュージョンに様変わり。Smapって歌はともかく、曲は意外と粒ぞろいだもんね。Smapの5人が歌って台無しになるより、Smappies的アプローチのほうが吉かなと思ったりして。Smapのカラオケアルバム、発売されないかなー。ははは。

一人だけど大組織

Vol. 010 ジャズトモ 立古和智

Joe Pass/VIRTUOSO
●Joe Pass/VIRTUOSO
世界中のジャズギタリストに衝撃を与えた名盤。コードと旋律を同時に奏でるその様は唯一無二であるとともに、新しいジャズギターの在り方を指し示すこととなった。有名スタンダード楽曲揃い。凄すぎて腰抜かすけどね。

Joe Pass/VIRTUOSO#4
●Joe Pass/VIRTUOSO#4
VIRTUOSOシリーズは全4枚で、これが最後の一枚。同じくスタンダードの名曲揃い。「枯葉」「いつか王子様が」「四月の想い出」「降っても晴れても」など。少しラフな演奏はライブ感に溢れていてグッとくる。

突然ですが、最近フリーになりました。ってか、会社倒産しました。こないだまでは、このコーナーのクレジットには「雑誌編集者」って書いてあったのですが、今回からは何になってるんでしょう。楽しみです。さておき、フリーでいろいろやってると「会社員のときって、良かったなあ」とか思ったりします。お金のこととか、自分がやるべき仕事とか、何も考えなくてもテキトーに与えられたりしますもん。「組織に属していることのありがたみ」をひしひしと感じちゃうわけなんです。だからといっても、ぼくなんかを雇ってくれるキトクな会社はないので、「一人組織」でがんばってるわけなんですけど、同じくジャズの世界にも、一人でがんばってる人っているんですよね。

三大ジャズギタリストの一人、ジョー・パス。正確には、がんばって“た”人。もう死んじゃったから。ギター一本、一人でスタンダードナンバーを歌い上げる超絶技巧なギターは、彼を代表するアルバム名『VIRTUOSO』そのもの(VIRTUOSO=名人、巨匠)。俗にいう「小さなオーケストラ」であり、一人大組織なわけです。なんでも、テーマ(主旋律)とコード進行を見ただけで、どんな曲でもコードとメロディを織り交ぜて弾けたというから、巨人を通り越して怪物クンです。
もちろん、この天才をジャズ界は放っておきません。ときにトリオ(3人編成)、ときにはカルテット(4人編成)でとプレイしたジョーではありますが、やっぱり人々の間で語りつがれているのは、『VIRTUOSO』シリーズ。計4タイトル、そのすべてがジャズギターによるソロスタイルのお手本として後に受け継がれているわけです。

まーこれぐらい凄ければ一人組織でも全然OKなんですけど、ぼくみたいに割とフツーなカンジだと困りもので、ボゥーっとしてるとみんなから放っとかれっぱなしです。というわけで、依頼お待ちしてまーす。

ジャズライブは公開座談会(?)

Vol. 011 ジャズトモ 立古和智

Jim Hall and Bill Evans/UNDERCURRENT
◆Jim Hall & Bill Evans/UNDERCURRENT
ギターとピアノというともにコード(ハーモニー)を操れる楽器2本が織りなす静かで重厚なサウンドにグッとくる。いわゆるビバップとかそういった枠でははかれないピアノ&ギターデュオの名作

Jim Hall and Ron Carter/ALONE TOGETHER
◆Jim Hall&Ron Carter/ALONE TOGETHER
ベースとギター、ともに弦楽器なれど単音楽器とコード楽器が融合することで醸し出されるスペースの効いた音空間。ジムホールのリリカルなフレージングと木訥としながらもしっかりを底辺を支えるロンのベースがデュオならではの味わいを醸し出す

ジャズの醍醐味といえばライブ。なぜなら、アドリブ主体の音楽であるジャズのこと、その場・その時でしか味わえない音楽がそこにあるから。って書いてて恥ずかしくなってきた。こないだ、ちょっと思ったんですよ。クラシックって、譜面通り美しく超絶技巧を駆使して演奏する音楽の代表格じゃないですか。なのに、ジャズの人たちってテキトーなんですよね、演奏内容。当日まで何も準備しないって話も珍しくないくらい。クラシックが「台本がしっかりしたお芝居」だとすると、ジャズはコード進行とテーマメロディしか決まっていない「会話」、そのライブは「公開座談会」みたいなものかなあって、思ったわけ。

会話といえば、ジム・ホール(Gt.)がデュオでリリースした一連のアルバムはサイコーです。決してテクニックをひけらかすことなく、2人だけの空間を作り上げている。そのリリカルなフレーズ、コードワークは「静かに燃える」って形容がピタリはまるもの。ライブでも、音量が小さいんだな。けどオーディエンスも、気がついたら静寂のなかに静かに燃える巨人の空気にとけ込んでしまう。
過去には、第二期マイルスバンドを代表するベーシスト、ロン・カーターとの「Alone Together」、ロマンス派ピアニストの代表格ビル・エバンスとの「UNDERCURRENT」、OLさんにも大人気パット・メセニーとの「Jim Hall & Pat Metheny」といったデュオ作品での実績があります。どれも、極上の会話を楽しめること請け合い。

ってまあぶっちゃけ、ジャズの醍醐味なんて人それぞれなんですけどね。有名な楽曲には「スウィングしなけりゃ意味ないね」ってものもあるくらいで、「ジャズ=スウィング」な人もいるわけです。確かにあの曲はスウィングしなかったら、ほんとに意味なかったな。格好悪かったよ(経験済み)。


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